ポーの一族、原作に圧倒される‥
みなさんこんにちは☺️
私事ですが、ここ数日胃腸風邪でダウンしておりまして、仕事もお休みをもらいましたので、家でのんびりしている時間ができました。
それをいいことに?
ポーの一族の漫画全巻+新作の春の夢
をはじめて読んだんです。
原作を読むと、その世界観のあまりの素晴らしさに何度も何度も読み返す手が止まりませんでした‥!!!
そりゃあ不朽の名作だわ‥‥
小池先生もファンになるわ‥‥‥
と。
少女漫画のジャンルだと思うのですが、
もはや少女漫画の域を超えているというか、
漫画というより、奥深い小説を読んだという感覚になりました。
萩尾先生が生み出す言葉の一つ一つがとても美しく神秘的で、そして読む側に想像を掻き立てさせるような世界観。
ナウオンで水美さんも言っていましたが、
こんなにも何度もページを戻って読み直し、一言一言噛みしめるように読んだ漫画はありません✨✨✨
一言で言えば本当に凄い!!!!としか言いようがありません。
花組さんの公演もとてもとても素晴らしかったのですが、
公演の中で描かれていたのは、
からバンパネラへ変化し
男爵やシーラと永遠の旅を続ける中で、アランに出会い、
最後はメリーベル、シーラ、男爵全てを失い、アランを連れて永遠の時を生きる
ところまでですね。
そして、2幕ラストののギムナジウムでのエドガーとアランの場面はわずかしかありませんが、これまで2人がどのようにして生きてきたのか、また、これからも2人の旅が続いていく様を暗示させるような終わり方でした。
公演で描かれていた部分がポーの一族の中核となるお話ですが、
それ以外にもギムナジウムでのエドガーとアランを描いた小鳥の巣編や、
アランが最後消滅してしまうエディスや、
ポーの一族の秘密に迫った新作、春の夢
など、素晴らしい短編がたくさんたくさんあります。
漫画そのものは、色々な短編集が時系列バラバラに盛り込まれているので、
何も知らずに初めて読むと、時系列を整理するのに時間がかかり、理解しにくいところもあるかと思います。
ですが、時系列順に並び替えて読んでみると
200年近くにも渡るエドガー含めポーの一族の壮大なストーリーが見えてきたり、
色々なところに伏線が隠されていたり
と何度読んでも新しい発見があって目から鱗状態でした‥✨✨✨
どの短編も素晴らしいのですが、花組公演で描かれていないもので、私が特に印象に残っているものは、
・グレンスミスの日記
・すきとおった銀の髪
・リデル森の中
・春の夢
でしょうか。
どの短編も素晴らしすぎて私の拙い文章では到底説明できないほどなのですが‥笑
少しだけ感想を書いておきたいと思います。
・グレンスミスの日記
グレンスミスは公演のプロローグで優波くんが演じていましたよね。プロローグでも説明があったように、森の中で鹿と間違えてメリーベルを撃ってしまったグレンスミスがポーの村に連れていかれ、エドガーやシーラ、男爵、老ハンナに出会う。エドガーに少し血を吸われただけで、無事に生きて返してもらえるのですが、
グレンスミスはのちにポーの村があった場所を訪れても、薔薇咲き乱れる村はそこにはなく、そんな村はどこにも存在しなかったんです。そして、ポーの村での不可思議な体験を日記に残すんです。
そしてグレンスミスが亡くなったのち、娘のエリザベスがこの日記を読むことになり、ポーの村の話に魅了されます。そしてエリザベスも結婚し、幸せな家庭を築きますが時は1914年、第一次世界大戦の荒波に揉まれ、家族との別れや苦しい激動の時代を過ごすことになります。
そして年老いたエリザベスは孫のマルグリットにグレンスミスの日記の話を聞かせます。
そのマルグリットが公演冒頭でストーリーテラーとして登場する、華雅りりかちゃん演じるマルグリットなんですよね!そして甥のルイス(綺城ひかりくん)がギムナジウムでエドガーとアランと同級生になるという‥!!
もうどこまでも緻密に作られたお話というか‥
ここでこう繋がってるのかー!!
というのが、わかると全てが一つの糸で繋がっているような感覚に陥ります‥。
素晴らしすぎます‥
あっぱれです‥
またここで印象に残る言葉があります。
「生きていくってことはとてもむずかしいから、ただ日を追えばいいのだけれど、時にはとてもつらいから、弱い人たちは、とくに弱い人たちは、かなうことのない夢をみるんですよ」
グレンスミスの娘、エリザベスが孫のマルグリットに言う言葉です。
・すきおとった銀の髪
14歳のチャールズは街の外れの館に越してきたポーツネル男爵一家の娘、メリーベルに淡い恋心を抱きます。
すきとおった銀の髪の歌(老ハンナがエドガーとメリーベルに教えてくれた歌)を歌うメリーベルは次第にチャールズと仲良くなるのですが、一つの土地に長くは暮らさないポーツネル一家はすぐに次の土地へ移る時が来てしまうのです。
そして、やがてチャールズとメリーベルの別れがやってきました。そんな淡い初恋から30年、チャールズは妻との銀婚式の祝いのため街にバラの花束を買いに行くんです。そこで、メリーベルにそっくりな少女をみかけます。思わず声をかけ、少女はメリーベルと名乗るのです。チャールズはあの幼いメリーベルの娘に違いない。と確信し、”すきとおった銀の髪”の歌を歌うとメリーベルもその歌を知っているというのです。そうしていると、エドガー兄さんが呼んでいる!とエドガーのもとへ走るメリーベル、そこには、エドガー、シーラ、ポーツネル男爵と30年前チャールズの目に映ったあのポーツネル男爵一家がそのままの姿で現れたんですよね。 そんなことあるはずないのに、あの少女は30年前のメリーベルだと確信してチャールズはこの出来事を日記に残します。
淡い初恋がこのような形で30年後にそのまま思い出される。
普通ならあり得ないことですが、バンパネラであると時を経てこういう再会の仕方も起こりうるんだなと思いました。
このお話がポーの一族の連載のはじめだったようですね‥!ここからポーの一族の壮大なお話が始まったと思うとワクワクが止まりません‥!!
・リデル森の中
このお話では、エドガーがエナジーを求め、襲い殺した貴族夫妻の娘リデルを、殺すには幼いため、(確か2歳だったかな‥?)エドガーとアランと共に森の中で育てる様を描いています。
餌食にすることもなくリデルを人間として育て、すくすく成長するリデル。バンパネラにし仲間に加えても良かったところをリデルが10歳になった時、リデルを祖母の元へ返すんです。祖母はこの8年行方不明になったリデルをずっと探していたので、リデルが突然現れたことを喜び、自分の元で育てます。エドガーとアランのことを忘れられないリデルですが、いつしか2人との思い出は心の奥深くにしまい、結婚し、普通に幸せな家庭を築きます。
そして、数十年後、年老いたリデルは夫に「ねえ、あなた?わたし、昔、小鳥の巣箱にいましたの。どこかの遠い森の中で、二羽の小鳥に育てられたんですよ。」
と話すんですよね。夫は微笑みながらその話を聞く。というラストで終わるのですか、
全てが夢夢しい美しいおとぎ話のようです。
自分だけ成長していき、いつまでも成長しないエドガーとアランをリデルはのちに不可思議であることに気づくのですが、あれは夢だったのかなんだったのか、そんな思いを抱えながら生きていくなんとも言えない夢物語です。
そして、新作の春の夢はこれまで明かされなかったポーの一族の秘密に迫ります。
なぜ、エドガーとアランはポーの村で暮らさないのか
これまで不思議だったことが解き明かされていきます‥!!
そして全編を通して、オズワルド・エヴァンズ(メリーベルがアート男爵家に養女へ出されたのち、恋に落ちる青年)の子孫が年代を追って次々に登場し、絶妙に上手い具合で、エドガーやアラン、メリーベルと関わることになるんですが、そういった伏線も本当に本当に面白いです‥!!
どこまでも感想が止まらないのでこの程度にしようと思います‥‥笑
とにかく、今回の花組さんのポーの一族、改めて原作を読むと、ビジュアルから世界観から一人一人の心情から全ての再現度が素晴らしすぎることがよく分かりました‥!!!
でもこれだけに留めておくのは非常にもったいない気がしてなりません。
ポーの一族には今回ご紹介したような、素晴らしいお話がたくさん散りばめられているので、
この花組さんのキャストでポーの一族全編を舞台化してほしい思いが止まりません‥‥!!!(おそらく99.9%無理だと思いますが‥)
今の花組さんならできる気がします‥!!
まだ、原作を読まれていない方‥‥!
早急に読むことをオススメします💕💕💕
では🙌🏻